The sense of wonder
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欲望の翼(阿飛正傳、 Days Of Being Wild)
2005年12月13日 (火) 00:43 | 編集
欲望の翼 (阿飛正傳、 Days Of Being Wild)

欲望の翼

60年代の香港を舞台にして、男女6人の若者を描いた群像劇

ウォン・カーウァイ監督作品
出演: レスリー・チャン カリーナ・ラウ アンディ・ラウ マギー・チャン ジャッキー・チュン トニー・レオン レベッカ・パン


同監督の“花様年華” “2046”と、この映画を合わせて3部作になっていると言われています。

色がとても綺麗な映画です。私は、この映画があまりに好きで、部屋の中を全て緑系に模様替えしようかと思った程です。そして流れる様に動くカメラが鳥のようです。ヨディ(レスリー・チャン)が話す“脚のない鳥”の話は、この映画の大きな象徴です。

登場人物は、みんな片思いに苦しみます。一時通じ合ったようでも、すぐ離れてしまう。色々な事が遅すぎたり、早過ぎたりする事で、結ばれる機会を逃して行く。物語は切ないのですが、ここには固有の時間の流れと美しい音楽があるので、ただ切ないのとは全く違う不思議な感情を抱きます。一番不幸そうなヨディは、一番時間に強くこだわっています。

私は、タイド(アンディ・ラウ)とスー(マギー・チャン)の関係を描いた電話ボックス前のシーンを思い出す度に、あ、もう1度観たいな、と思います。何度も観たいと思うのは、“過去が○○で結局現在は○○で未来は○○だろう”と直線上に並ぶのとは少し違う“時間”が、この映画に流れているからではないかと思います。その時間は流れ去るという事がなく、モヤモヤと滞留し続け、ひょっとして今も私はその中にいるのではないか、というような。

作家の中には、その時代さえあれば、後は何もいらない、というタイプが確実に存在します。
第2帝政期のパリさえあれば、後は何もいらない、とか、1920年代のベルリンさえあれば、後は何もいらない、とか、1950年代のアメリカ合衆国さえあれば、とか。
ウォン・カーウァイは、1960年代の香港(そして幾つかの外国へのロマン)さえあれば、後は何もいらない、と思っているのかもしれません。今も、その時間の中に生きているのかもしれません。

あなたが、もうすぐこの文章を読み終えるこの瞬間、何処かで誰かが別の文章を読み始めているという事。今から1年後、ふと、この文章を読んでいた数秒間が、その12月のある1週間より長かったように思え、今もその時間が続いているような気がする感覚(それはさすがにないだろ、それ程の文でない)。消費され得ず、いつまでも片付かないような時間・・・・・

どちらかと言えば夏に観たい映画という気もしますが、1990年当時、クリスマス商戦に合わせて公開された、というのが驚きです。と言う事で、クリスマスに、この映画をどうぞ。


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赤ちゃん教育  BRINGING UP BABY
2005年11月24日 (木) 23:45 | 編集
赤ちゃん教育 BRINGING UP BABY

赤ちゃん教育結婚式を明日に控えながらも、恐竜の骨の組み立てしか頭にない
堅物の自然学者デイヴィッド(ケイリー・グラント)。彼は研究資金の提供を申し出る人物と接待ゴルフの最中に、あわて者の女性スーザン(キャサリン・ヘプバーン)と出会ってしまい、事態は思わぬ方向へ。デイヴィッドに恋してしまい、ペットの豹を使って彼の気を引こうとするスーザン。デイヴィットは結婚式の当日に、この豹を彼女の叔母の元に届ける羽目になってしまう。そして2人は大騒動を引き起こして行く・・・・・
名匠ハワード・ホークス監督が、ハリウッドを代表する二大スターの共演を面白おかしくハイテンションに描いたスクリューボール・コメディの傑作。

原題にある“BABY”というのは、赤ちゃんの事ではなくて、この映画に出て来る、ほとんど主役と言ってもいい、の事を指しています。スーザンがこのペットを“BABY”と呼んでいるので。
まず、注目は“”です。デイヴィッド(ケイリー・グラント)は博物館で恐竜の骨を組み立てていて、いよいよ完成まであと鎖骨1本だけ、という所で、スーザン(キャサリン・ヘプバーン)に出会うんです。スーザンに付き合わされる過程で、その大事な“鎖骨1本”も喪失してしまいます。
それと、“”です。豹を入れておく檻。大騒動の結果、檻はどういう状態になってしまうか、その辺りも見物です。
今回このレビューを書くにあたって、幾つか他の方々のレビューを読んで、かなり驚いたのは、スーザンの、騒騒しいヒステリックなキャラクターが気に入らない、という感想があった事です。これは、この映画のかなりの部分を否定する意見です。ですから、騒騒しいヒステリックなキャラが出てくるだけで、もう嫌だ、という方にはこの映画はお薦めしません。
と言う事で、第3の注目ポイントは、“スーザンの騒騒しさ”です。これが無かったと仮定すると、この映画の物語は、“ある所に、恐竜の骨の組み立てしか頭にない堅物の自然学者、デイヴィッドという男がいました。おしまい。”というものになるかと思います。
スーザンのバカバカしい程の騒騒しさに強引に引っ張られて、デイヴィットは大事な恐竜の骨を無くす、というのがかなり重要です。それが、スーザンが見つかった骨を博物館に届けにくる、あの最高のラストに繋がっていくのです。
もちろん、題名にもなっているベイビーや犬など、動物達も活躍します。というか、色々やらかしてくれます。デイヴィットにしてみたら、スーザンだけでなく、動物達にも翻弄されっぱなしで大変です。
もう、本当に面白い映画です。ニヤリなのかハハハなのかゲラゲラなのかは個人差があるかと思いますが、笑える事は間違いありません。必見です。

ハワード・ホークス監督の映画では、他にも面白いものがたくさんあります。例えば、バカバカしい程の騒騒しさに引っ張られて、という事では、「ヒズ・ガール・フライデー」があり、動物が出てきて色々大変な事になる、という事では、「ハタリ!」や「モンキー・ビジネス」があります。未体験の方は、是非!


泥棒野郎 TAKE THE MONEY AND RUN
2005年11月12日 (土) 22:30 | 編集
泥棒野郎  TAKE THE MONEY AND RUN

泥棒野郎 「非行少年だったバージルは、大人になっても、悪の道で有名になりたいと願うチンピラ男。彼がマヌケな犯罪を繰り返し、とうとう前科53犯という途方もない記録を作るまでをドキュメンタリータッチで描いた、ウディ・アレン初期の傑作。」

ウディ・アレンの、監督としての映画デビュー作品です。
一応、バージル( ウディ・アレン )の少年時代のエピソードから、成長してセコい犯罪を犯して刑務所に出たり入ったりするとか、犯罪仲間と組んで銀行強盗を企てたり、といった物語があるにはありますが、そういう事は結構どうでも良くて、ウディの創り出す笑えるシチュエーションの数々を、コントの羅列を堪能する作品だと思います。

もう、とにかく笑えます。笑えるポイントは、“チェロを弾く” “銃を造る” “シャツを盗む” “ブルースを歌う” “塀を越える” “背中を刺す” “綴りを間違える” “保険の勧誘員と小部屋に入る” などです。それと、以前のエントリーで、「探偵物語」の事を書きましたが、このオープニングに出てくるギャグと同じものが登場します。これはそんなに面白くはないんですけどね。

物語で触れる必要があるとすれば、ヒロインとの出会いです。バージルは、ルイーズ( ジャネット・マーゴリン )という女性と出会い、結婚するのですが、この2人の恋と愛の部分は素晴らしいです。2人をフレームに収めているカットだけ、カメラ、別人なんじゃないの?と思う程ですよ。しかも、このヒロイン、ルイーズが、こんな女性はいるのか?というくらいにチャーミングなんです。
ロマンス・タイムは、本当に甘く美しくて、バカ・タイムは、とことんバカでくだらない、というウディ映画の最良の部分が、すでにこの作品で形になっているんですね。
(さらに、この2つの時間が絶妙に交錯する場面こそ、最最良のシーンなのではないか、と私は思うのですが、残念ながらこの映画でそこまでのシーンはありませんでした。)

この映画、製作は1969年。
モンティ・パイソン”が、同じく69年に放送開始。う~ん、すごい・・・・・。
それ以前の、不条理劇やコメディなどにアイデアの源泉があったのかもしれないけど、それにしても、この感覚を69年にウディは映画にしていた、と。“保険の勧誘員と小部屋に入る” のシーンなんて、かなりの所まで行ってると思います。
2005年現在も、芸人さんがあるあるネタで爆笑を取ってる事を考えれば、この映画がウケない事はあっても、古びる事はまだまだ無いんじゃないかな、という気になります。
そう言えば、アンガールズというのは、“綴りを間違える” シーンの事なのではないでしょうか。

それにしても、ウディ・アレンは、ダメな人の芝居が本当に上手いなあ・・・・・・・



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バビロンの黄金伝説
2005年10月29日 (土) 02:00 | 編集
ルパン三世 バビロンの黄金伝説

ルパン三世 バビロンの黄金伝説古代バビロニア文明期の伝説の黄金を見つけ出すため、ある情報を手がかりにルパン達はニューヨークに来ていた。ある夜、ルパンはロゼッタという老婦と再会する。ロゼッタは、バビロンの黄金の事を知っており、謎の言葉と古い燭台をルパンの部屋に残して去る。
しかし、マフィアの首領マルチアーノもまた、バビロンの黄金を狙っていた。一方、銭形警部はICPO主催インターナショナル婦人警官コンテストで選ばれた世界の美人警官達を従え、ルパン逮捕に向かう。
監督 鈴木清順  吉田しげつぐ
ルパン vs 複製人間”、“カリオストロの城”に続く、劇場版第3作目です。前の2作に比べて、この作品の評価は基本的に良くない感じがするのですが、私は大好きです。
人物の移動が、ニューヨーク⇒バビロン⇒ニューヨークとなっていて、“伝説の黄金”をキーにして古代の大都市と現代の大都市を結んでいるんです。私は、大都市と砂漠が両方出てくる映画にワクワクしちゃうんですね。と言うか、子供の頃に観たこの映画にすごいショックを受けたせいで、大都市と砂漠の出てくる映画が好きなのかもしれないですけど。
ルパン映画史上の名台詞というと、“カリオストロの城”のラスト、銭形警部の「いえ、奴はとんでもないものを盗んで行きました~~~」っていうのが有名でしょうけど、私は、この“バビロンの黄金伝説”での五右衛門のセリフ「○○○で○○○○○」の方が名台詞だと思います。いつも、ここで泣きそうになりますよ、私は。(是非観て確認して下さい)
それに音楽がすごくいいんです。テーマ曲の“Manhattan Joke”がホントに格好良いし、それと何と言っても、“Song of Babylon”。劇中、登場人物が口ずさんだりもするこの歌は、歌詞がマザー・グースの唄から引用されています。しかもこの歌詞の中に、“伝説の黄金”の謎を解く鍵があるんですね。
カッコいい、なんてカッコいいんだルパンは。
 
* * * * * * *

“How many miles to Babylon?”      “バビロンまでは何マイル?”

How many miles to Babylon?           バビロンまでは何マイル?
Three score miles and ten.             60マイルと10マイル
Can I get there by candle-light?        夕暮れまでに(蝋燭灯して)行けるかな?
Yes, and back again.                 行って帰ってこられるさ
If your heels are nimble and light,        足が速くて軽いなら
You may get there by candle-light.       夕暮れまでに(蝋燭灯して)行けるとも

* * * * * * *

これが、引用されている唄です。“score”には“20”という意味があるみたいで、
3×20+10=70マイル、これは人間の寿命を表してるって解釈があるそうです。

この映画には、人生や文明にまつわる細部が色々詰まっていて(“ルパン三世”はどれもそうですけど)、興味深く、それでいて、だた楽しんで観る事も出来る所が、本当に良いなあと思います。


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はなればなれに BANDE A PART
2005年10月26日 (水) 00:30 | 編集
はなればなれに BANDE A PART

Bande a part先日のエントリーで紹介したゴダールの新作、Notre Musique(アワーミュージック)が、公開初日、30年振りに満席になったそうです。パンプレットの売れ行きが凄くて、一人で2~3部買う人が居たという事です。すごい事ですね、何かが起きています。
これを祝して、というのと映画祭もやってるし、という事で前回に引き続き映画を取り上げてみたいと

思います。(まあ映画祭は1年中何処かで必ずやってますから単なるコジツケですね)
“普通に面白い”感もある、ゴダールの“はなればなれに BANDE A PART”です。

* * * * * * *
冬のパリ、フランツ(サミー・フレイ)とアルチュール(クロード・ブラッスール)は性格はまるで違うものの、共に推理小説マニアの親友同士。2人は、北欧から叔母の住む屋敷へやってきた英語学校の生徒オディール(アンナ・カリーナ)と出会う。可愛いオディールに惹かれる2人。そんな中、オディールは、叔母の屋敷に脱税か何かで隠している大金があると話す。じゃあ、その金をくすねようと2人は彼女を巻き込んで泥棒計画を立てるのだが・・・
* * * * * * *
1964年制作。日本では、今から3年ほど前に初公開されました。
3人の、バカバカしい日常がバカバカしいまま魅力的に描かれています。ルーブル美術館、全力疾走とかね。上の写真は、カフェで“マジソン・ダンス”というダンスをしている一場面ですが、このシーンはとても良いです。踊り出す瞬間、緊張感と解放感が同時にやってくるような感じで、ハッと息を飲みます。
ヴィンセント・ギャロの“バッファロー'66”という映画で、クリスティーナ・リッチがボウリング場でタップを踏むシーン、あのような、不思議な感覚に包まれます。(“パルプ・フィクション”のツイストコンテストのシーンを演出する際、クエンティン・タランティーノは、この“マジソン・ダンス”のシーンを、演者に何度も観せていたらしいです。)
他にも、英語学校での3人のアイコンタクトや、叔母の屋敷の中のシーンなど、気になる事がいろいろある映画です。
この映画に限らずジャン・リュック・ゴダールの映画を観ると、答えを知りたい欲望に比べて、問いを発見したい欲望はかなり低い、という自分の内なる法則に毎回気づかされます。「よく分からない」という意見が一般的に多いのも(私もよくそう思うのですが)、その法則と関わりがあるのだと思います。
ちなみに、上の“マジソン・ダンス”の写真、真面目な感じのするフランツが右、いい加減な感じのするアルチュールが左です。


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